母「ふふ、それはよかった。
連、あなたに伝えたいことがあるのです。」
「…へ?」
父「大切な話なんだ。よく聞きなさい。」
「…はい。」
母「実は、昨日天使の陽斗様がいらっしゃってね。」
「…はると?」
父「連を天使にするための大切な人だよ。」
母「それで、陽斗様がね、連を天使に認めてくれると言うのよ。」
「…天、使?」
父「そうだ。連の旅を見ていてね、連はもう立派な天使になれると言って下さったんだよ。」
和「(…旅を見てた?)」
母「どうかしら、連。
もう旅はやめて、この街でのんびり暮らさない?」
「…。」
父「どうした、連?」
「…それは、違う。」
智「連…?」
「それは、私がなろうとしてた天使じゃない。」
連は、はっきりと言った。
父「なろうと、してた?」
父は不思議そうに尋ねる。
「父様、母様。私、親不幸者かもしれない。
でもね、私、そんな簡単に天使になりたくないの!」
母「…連。」