「ちゃんと書けたか?」

私の手のひらを見て言う。


「書けたよっ!」

私が笑顔で言うと、咲貴君が笑った。


「…馬鹿。間違ってんぞ。」


ほらここ、そう言って指をさす。


なんだか、くすぐったい。


「……ユーとアイが反対。」


言われて、すぐ書き直した私。


「完璧。あとは、消えないといいけど。」

そう言うと、私の手のひらをすーっとなぞってでこぴんしてきた。


「……んっ!」


びくっとした私を見ると、笑って教室を出て行った。


「……やったぁ…。」

思わず顔がにやけてしまう。


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