「壱ってこーやってバイクに乗せたのって何人目?」


信号が赤になって止まった沈黙が辛くて話しかける。


「・・・初めてや。」


壱は声を上ずらせて言う。



「初めてなの??本当はいるんじゃないの?」


「ホンマやで。・・・俺は好きなやつしか乗せんから。」


真っ赤になった壱が笑って言う。


意味を考える前にバイクは発進した。