『智哉君。検査の結果、少しだけど


 病状は良い傾向にありますよ。』


かかりつけの若手医師が言った。



丁寧な言葉ときちんとした態度の先生を


俺は一番信頼している。


「まじっすか。」



俺は小さくガッツポーズをした。


ずっと悪化していたから


この知らせは本当に嬉しかった。



『彼女のおかげかな?』


にっこり笑った先生の目は


俺の心を透かしている。