私の体をストンと降ろして。
背が高い彼は、いともたやすくその紙切れを手を伸ばして取ると、私の目の前に掲げてくれた。
「こんなもん、大事か?」
優しく響く彼の声に、心臓が早く動いて、目眩がしてきた。
だって私の後ろに、悠斗君がいる。
「…大事、です」
「ぶ、なんで、敬語?」
我慢できない。振り返って抱きつきたい。
来てくれた。約束を守ってくれた。今日、来てくれた。
「悠斗君…」
振り返るより先に、後ろから彼に強く抱きしめられた。
「誕生日おめでとう。亜矢」
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