亜矢が俺を庇うように俺の前に座り込んだ。


「…亜矢!馬鹿、濡れるだろ…!」


俺の言葉を遮るように、亜矢は首を振った。


「優太…ごめん…!私、悠斗君じゃなくちゃ駄目なの…!」



「ねーちゃん!なんで悠斗を許せるんだよ?俺は悠斗がまた同じ事繰り返すって分かってる!またねーちゃんを泣かせるに決まってる!」


その言葉に、亜矢は俺の制服の裾を掴んで首を振る。


「そんな事ない!悠斗君は…!」


「だってそうだろ?俺は知ってんだぞ?だって…悠斗はまた…ねーちゃんを置いて行っちまうんじゃねぇか!!」




優太の言葉に、亜矢は凍りついたように動かなくなって…俺の制服の裾から手が離れたのを感じた。