元々、会う気なんてないんだからたいしたことではない。


今まで通り、亜矢に会わないように気を配っていれば大丈夫。


なのに、なんでこんなに前より会いたくなるのか…。


あぁ、そうか。


亜矢に触れたからだ、きっと。


亜矢を近くに感じた時、やっぱり俺は亜矢を忘れていない事を痛感した。


だから、絶対会えないと思った。


亜矢の前に出たら、自分を抑えられる自信なんて…ねぇんだから。


それなのに…


今目の前にいる俯いた亜矢の姿。


今すぐにでも抱きしめたい衝動を必死に抑えてる自分がいた。