「付き合ってもいない。昔の知り合いだ…」

「昔の知り合いの様子を見に行くなんて、ハルそんなに暇なの？

…でも、昔何があったか知らないけど、彼女はハルの事、もう忘れたんじゃないの？」


棘のある言い方だった。


そんな事、麻美に言われなくても分かっているのに、人に指摘されると少なからず動揺してしまう自分にムカついた。


「こないだ、男を紹介するって言ったら、すぐに乗り気になったんだから」


男…？


「麻美か…？亜矢を…襲わせたのは…？」



「人聞きの悪い事言わないでよ。アイツ、勝手に勘違いして手を出したんだから。
問題はそのあと。…助けたのってハルなんじゃない？」


俺が黙っていると、麻美はため息をついた。


「じゃあ、会ったんだ。失敗したな…ホント、アイツむかつく」


「亜矢に手を出すのは…止めてくれ…頼む……！！」


俺の言葉に、麻美は「…なんで？」と呟いた。



「亜矢は…大事な人なんだ。俺の…」