さっきまで、自分には無縁だったような出来事が起こってて。


私は震える身体を抑えられなくて。


叫びだしたい気持ちを懸命にこらえた。



「亜矢ねーちゃん…!大丈夫、何にも心配ないよ。何にもされてないから…」


隼人君の言葉に安心して、私は懸命に身体を起こす。


「隼人君…が助けてくれた…の?」



すぐに思い出したの。


私が気を失う時に、聞いた声が…あの人の声によく似ていた事を。


もう忘れてしまいそうな位聞く事の叶わない、


悠斗君の、声に…。


私を‘亜矢’と呼ぶのは、彼だけだ。