目覚めた時、頭が割れそうな位痛くて、私は思わず声をあげた。
「……いったぁ……」
頭に手を当てようとすると、誰かがその手をぎゅっと握る感触がした。
うっすらと目を開けると、心配そうに覗き込む顔が見えた。
「…隼人君……」
「亜矢ねーちゃん…目、覚めた?」
独特の消毒液の匂いを感じて、ここが病院である事がわかった。
安堵の表情を浮かべる隼人君をぼんやり眺めながら、
自分の状況を全く思い出せずにいる私に、隼人君が口を開く。
「もう大丈夫だから。安心して」
私…なんで病院なんかに…?
記憶が蘇ってくるのがわかって、私はその手を握りしめた。
「…い、やだ…」