俺は知らなかったんだ。 優太以外にもうひとつ、俺と亜矢を繋ぐ『接点』が出来ていた事に。 そしてそれが、 誰のせいでもなく、俺のせいである事に。 気がつくのが遅かった。 俺の想いは、いつも彼女を傷つけてしまう。 亜矢、君を忘れられたら、どんなに楽だろうか。 取り返しがつかなくなる前に、君を忘れる必要があるのに…。 俺の手に残る彼女の感触は、いつまでも消える事はなかった。