由紀ちゃんは、本当に可愛いし、私とも仲が良くて一緒に出掛けたりもする。
仲がいい二人を見てると、独り者の私はうらやましい限りだけど。
「なんだかんだで、もう一年以上続いてるもんね。早いよね」
もうすぐ秋。そしてまた、寒い冬がやって来る。
「亜矢ねーちゃんは、いつまで一人でいるつもり…?」
隼人君の問い掛けに、ため息をつきながら答える。
「もー、余計なお世話!隼人君は人の心配より自分の心配しなよ。好きな子とかいないの?」
悠斗君と別れてからもう一年半は経つっていうのに…。
あれから私は誰とも付き合ってないし、浮いた噂もないから、優太や隼人君がいつも心配する。
でも、悠斗君の事を誰も口にしない。
…私はとっくに、
忘れたのに。