「亜矢ねーちゃん!」
呼び止められて振り返ると、そこには優太と隼人君がいた。
「今帰り?偶然だね!一緒に帰ろうよっ!」
ニコニコしてそう言う隼人君。
「あー俺、由紀と帰る約束してっから。ねーちゃん、隼人に送ってってもらえよ」
由紀ちゃんは優太の彼女で、優太にはもったいない位すっごく可愛い子だ。
高校に入ってしばらくしてから付き合いだした彼女とは、もう長い付き合いらしい。
「わかったけど、優太、遅くなんないでよ。お母さんより遅く帰ったら、またお母さん、機嫌悪くなっちゃって大変なんだからね!」
優太も隼人君も、すっかり背がのびて、少し見上げながら返事をした。