『…やっと呼び捨てで呼んでくれたな。亜矢』


悠斗君の声が向こうから聞こえてきて、更に涙が溢れた。

『…最後にそんな事言うなんて反則』


最後って言葉に、身体がビクッと震えた。


夢じゃないんだ、これは現実なんだって、嫌でも思い知らされる。


「なんで…黙ってたの?誰にも言わないで…ひど…い…よ」


耐え切れずに嗚咽が漏れる。


『…泣くなよ…俺なんかの為に…!』


悠斗君が声を荒げる。


『どうしても、言いたい事があった。でも電話する気なんてなかったのに…ごめん…』