「優太…だめじゃん。熱あるのに外なんか出たら…」
私は優太の顔を見ずに、そう、力なく呟いた。
「ねーちゃん…!ねーちゃんこそ、制服も靴も濡れてるぞ!?
風邪ひいちまうだろ!とにかく、帰るぞ!!」
優太の声を聞いて、泣きそうになる。
唇を噛み締めて、涙をこらえた。
いつの間にか雪が降ってきて、私達の身体に降り積もる。
その時、私の携帯が震えてる事に気がついて、ポケットを探った。
優太はここにいるんだから、七海かな…
ぼうっとそんな事を考えながら携帯を開くと、
それは非通知の着信だった。
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