私はその言葉が何だか…無性に嫌だった。


力いっぱい彼の腕を振りほどいた。


「…亜矢?」


悠斗君が驚いて私を見た時、どうしても目に入る…口元の傷。


だいぶ薄くなってはいるけど、隼人君達に聞いてなくても殴られた跡だって気づいただろう。


その傷を私に見られたくなくて、今日の勉強会に来なかったんだよね?


私は彼の傷にそっと左手で触れた。


悠斗君の身体が、微かに反応して震えた。



「……痛い?」