「この前校門にいた男が赤ちゃんのパパなんですか？ちゃんと話しましたか？」

まだ妊娠したと決まったわけではないのにユーヤはそう捲し立てる。


「してない……」


陽に妊娠したと話したら喜んでくれるだろうか。


あたしが妊娠していたとしたら、また以前のような二人に戻れるんだろうか。


「ちゃんと話さないとダメですよ。それに先輩は望んで赤ちゃんをつくったんですよね？」



あたしは何も言えず口を結んだ。


望んでつくってなどいなかった。


まだ母親になる自信も自覚も何もない。