「寝不足になるなんて何か心配事でもあるんですか?」
「……妊娠したかもしれないの」
心配そうなユーヤの瞳をじっと見つめあたしはそう呟いた。
今まで一カ月以上も生理が遅れることなんてなかった。
それに最近感じる体のダルさは尋常ではない。
カレーの匂いや炊きたてのご飯の湯気で吐き気がして度々嘔吐した。
「妊娠って……確実なんですか?」
「まだ調べてない」
「なんで早く調べないんですか?先輩は赤ちゃんを望んでたんじゃないんですか?」
いつもはヘラヘラとしているユーヤがこの時ばかりは真剣な表情を浮かべていた。