「……欲しいものはないです。ただ、先輩と一緒にいたい」
「え?」
「……先輩が好きです」
ユーヤはそう言うと、困惑するあたしの体をギュッと抱きしめた。
「具合悪いんだから……寝てなって……」
突然のことに心臓が激しく暴れ出す。
年下のユーヤの体はあたしをすっぽりと温かいぬくもりで包み込む。
「……今だけこうさせてください」
「うん……」
具合が悪い時、人肌を恋しくなる気持ちは分からなくもない。
きっとユーヤは不安だったんだろう。
あたしはユーヤの背中に恐る恐る腕をまわした。
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