その日から陽という存在に恐怖を感じるようになった。
今まで陽から安らぎしか感じたことのなかったあたしは急な変化に戸惑った。
陽の機嫌を損ねないように最善の注意を払い、自分の感情を押し殺して耐え続けた。
「今日は簡単なオムライスにしたよ?」
真っ白いテーブルの上に作りたてのオムライスとスプーンを並べる。
「俺には簡単なものしか作りたくないのか?」
「そんな……違うよ。陽がお腹空いてると思って早く作れるメニュー考えたの」
「……今日は泊っていくのか?」
「ううん。今日はちょっと用事があるから帰るね?」
鞄を手に立ち上がると、陽はあたしをギロリと睨んだ。