「……他に好きな奴でも出来たのか?」


陽は血走った目であたしを睨み付けジリジリと距離を縮めていく。 


「違うよ!」


「じゃあ何で別れようなんて言うんだよ……テメェ!!!」


その声と同時にあたしは髪の毛を鷲掴みにされ左右に振り回されていた。


「陽……!痛いよ!やめて!」


「これでもまだ別れたいなんて言えるか?」


陽は苦痛に歪むあたしの顔を冷めた目で見下ろした。