その後もなっつは歩ける?とか大丈夫?とか
こっちが遠慮するくらい始終気遣ってくれた

国際学部正面玄関を出ると道が2つに分かれている
右がサークル棟、左が人文学部棟
「じゃあ私こっちだから…」
右側を指差して、自らの行く場所を伝える
「そっか!俺はこっち」
なっつは私とは反対側を指差している
「あの、絆創膏…ありがとう。助かりました」
なっつはその言葉を聞くと、私に背を向け、右手を挙げて歩きだした

その時のなっつの柔らかな笑みが頭から離れない

…と、まぁ呆気なく恋に落ちてしまったというわけ
これまでの経験上、優しくされると弱いってことは分かってた
でもまさか第一印象が最悪の人に惚れるとは…
迂闊(ウカツ)だった…

だってそうそうないでしょ?
一度悪印象を持ったら、そこからなかなか脱げ出せないのが普通だし