…え…?

“年上のくせに俺より年下に見えんの。そこがまた可愛くってさ”
ゆっきの言葉通りだ
凄く可愛らしくて、笑顔が砂糖菓子みたいにふんわりと柔らかくて
理想のカップルの身長差は15センチって言うしね
さっきまでは私に触れていたなっつの手が、今は愛おしそうに彼女に触れている

悔しい、悔しい
私の心の中で、黒いものがマグマのように煮えたぎっている
「紹介するよ、俺の彼女の麻美」
「初めまして、麻美です。夏野がいつもお世話になってます」

“夏野”だなんて呼ばないでよ
“俺の彼女”だなんて紹介しないでよ
駄目だ…これ以上ここにいたら本音が出ちゃう
「私…帰る」
「ちょっと鈴香!?」
荷物を持って急ぎ足でその場を後にしようとした
「待てって!どうしたんだよ鈴香?」
あえなくなっつに腕を掴まれて動きを止める
「さっきから変だって。具合でも悪いの?」
そう言って、私の額に手を添える
「…っ、触らないでっ!」