温泉を出て、待ち合わせ場所へと向かう途中の廊下
「ちょっと鈴香!あれ」

茉莉の指差す先には、あの肉食女子
廊下の壁に寄りかかり、腕を組んでいる
あの女!まさかここまで邪魔しに!?
知らん顔をして前を通り過ぎようとした時だった

「そっちのパーマのほう」
パーマって…私?しかいないよね
無視しようと思ってたのに…
私も女だ!売られた喧嘩は買ってやる!
「何?」
出来るだけ冷たく、且(カ)つどすを効かせて

「あんた夏野くんの何なの?さっきも2人で買い物してたらしいじゃない」
なっつの何なのって言われたら…
「友達…だけど」
彼女でもないし、顔見知りってほどでもないし
妥当な答え
「あっそ。あんたが夏野くんの周りにいられると凄い迷惑」