「なぁ鈴香、茉莉~風呂あがったら待ち合わせて一緒に帰ろう?俺らだけで帰ったらまた来るって、あいつ」
なっつもだいぶ参ってるみたいだな
「そうだね、私達もそっちのほうが安心」
1時間後にホテルのロビーで落ち合うことにして、それぞれ温泉へと向かった

「よくやるよね、あの女も。あたしひいたわ」
ただいま温泉の中
湯船に口を沈め、ぶくぶくと息を吐き出す
「肉食女子って傍から見たら、ただの男に飢えてる可哀想な女だね。あぁはなりたくないわ」

あの女…絶対なっつに狙いを定めてる
この後もずっとなっつにべったりなはず
あ゛~もうどうしよう!
茉莉に「実は私、なっつが好きなの」って打ち明ける?
いやいや、そんなこと今言ってもあの女の行動は止められないし

第一あの女は何のためにこのサークルに入ったわけ?
男を漁(アサ)るため?
だったらほかのサークルに行けっ!

お風呂から上がってからも私の頭の中は、肉食女子対策でいっぱい
どうしたらあの女がなっつに近づくのを阻止出来る?
どうしたら私はなっつを守れるの?
…なんか、地球の平和を守るヒーローの気分だよ