玄関にあがると、すぐにリビングが見えた
荷物を抱えながら、皆が集まっているリビングを覗きこむと、なんだかピリピリした空気

おっ!あそこに見えるのは光!
なんだか困り顔に見えるんだけど…
「光!ちょっと!」
手招きして光をキッチンのほうに呼ぶ
「サンキュー鈴香、助かった」
「あの子絡み?」
「そう。彼女いるの~?とか、どんな子がタイプ~?とか。とにかくしつこいんだよね」
「大変だったね…」
本当に大変そう…
皆をここまで追い詰めるとは…恐るべし、肉食女子!

「さっ!ご飯にしましょ!」
奈々子さんが料理を次々とテーブルに運んでくる
私も手伝おうとしたけど、茉莉が「あたしがいくから鈴香は休んでな」って言ってくれた
手伝ってないと暇だな…
私ってもしかしてパシリ体質!?

「よいしょっと」
なっつが私の座っていたソファーの左隣に腰かけた
「やだなっつってば、おじさん」
「失礼だな、おい。せっかく持ってきた鈴香の分の酎ハイあげないよ」
「…ごめんなさい。」
「素直でよろしい」