「ねぇ、名前聞いてもいい?」


これから同じ店のバイト仲間だしね。と優しく微笑む顔に下心は全く無く見えた。


『黒田美玲です』

「じゃあー…黒田さん?美玲ちゃん?」


んー…。と顎に手を置いて考える彼に「美玲でいいです」と笑いながら言う。


「分かった。美玲ね。俺の名前は滝川由宇(ユウ)」

『由宇…さん?』

「うーん、由宇でいいよ。どうせ同じ高校生でしょ?」

『じゃあ、由宇で…』


そう告げると、うん。と爽やかな笑顔で言われた。


……なんか新鮮。


いつも騒がしい奴らといるから。