「わ、やっぱり混んでるね」

『ほんとだ…休日だししょうがないけど、はぐれそう』


電車で目的の駅に降りると、予想以上の人の数。


もし、はぐれちゃったら携帯があるから大丈夫だとは思うけど…少し不安。


「はいっ♪」

『なに?』


スッと差し伸べて来た手に首を傾げる。


「手、繋いだら安心でしょ?」


ふわっと笑う笑顔に拒否出来ない感じがした。


『まぁ、ね』

「よっし、行こっか!!」


大人しく莉夜に従って手を繋ぐことにした。


でも、はぐれないためだから。