*莉夜*


『おはよー、紅』

「おっす。あれ、鼻声治ったんだな」

『うん、昨日はあったかいところで寝れたから』

「?…へえー」


にこりと笑う僕を見て、首を傾げて相槌をうつ紅。


昨日、あんなに嫌がってた美玲ちゃんだけど、結局は僕を寝させてくれた。


意外に優しいとこ…僕は好きだな。


寝顔も可愛かったし。


「…なんで顔赤くなってんだよ」

『誰が?』

「お前が」


ぼ、僕が?


確かめるように触った自分のほっぺたは、微かにあったかかった。


わ…恥ずかし…。