「「もう!!浮気はだめだからねー!!」」


と、後ろから聞こえてくる声を無視して歩き続ける美玲は、ふと足を止めた。


「……先輩?」

「ね、愛のこと気になる?」

「……っ!!」


くるっと自分のほうを向いて、楽しそうに言う美玲の言葉に目を見開いて固まる紅。


「さっき、やきもち妬いたでしょ」

「…なっ、ち、違いますっ!!」


図星をつかれて顔を赤くする紅は「可愛いー」と言う美玲の言葉に耳まで赤くした。


「ふふっ、あたし愛の好きな人知ってるよ。聞きたい?」


悪戯に微笑みながら紅の顔を覗き込んで言う美玲。


「……いいです」


しゅん…と眉を下げる紅は俯いたまま左右に首を振る。