「紅君、ちょっと話そうよ」
昼食を食べ終わり、席を立った紅に美玲が言った。
「…?俺ですか?」
「えー!!僕は?僕も美玲ちゃんと話したいー!!」
「うっさいわね。莉夜はまた今度」
きょとんと目を丸くする紅の隣で莉夜が頬を膨らませて拗ねる。
「いいでしょ?紅君」
ふわっと目を細めて微笑む美玲に、コクリと頷いた。
「美玲!?紅君と2人でおしゃべりなんてズルい!!あたしも紅君と話したいのにー!!」
「……っ、」
大きな声で言ってきて近づいてくる愛にビクッと肩を揺らしながら、赤くなる顔を伏せる紅。
「いーの、今日は紅君と話したいことがあるから」
紅を横目に見ながら悪戯そうに愛に言う美玲は、紅の腕をとって歩き出した。