そんなほのぼの雰囲気のカップルの隣で、不機嫌そうに眉を潜めながらカレーを食べている人が1人。


「紅?なに怖い顔してんの?カレー不味い?」

「別に…」


心配そうに莉夜が聞いても、ぷいっと顔を逸らされてしまった。


「愛ちゃんは好きな人いるの?」

「えー?…いるよっ!!内緒ね!!」

「うっわ、その人かわいそー…」


丸聞こえな3人の会話を聞いた紅はますます不機嫌そうにカレーを食べ続ける。


「……へぇ、」


そんな紅の姿を見ていた美玲は、妖しく口端を上げた。