「それで、僕はお母さん達よりも1日早く来たんだ。兄ちゃんに会いたくて」
『…そ、なんだ……ここ、いつ出てくの?』
「明日…」
明日…!?
小さく呟く莉夜に目を見開く。
そんな急に…。
「ごめん…今まで言えなかった…」
目を伏せる莉夜は今にも泣きそうな声で言う。
「…僕の荷物はまた取りにくる、予定…。…ほんと、ごめんね?急になっちゃって…」
…本当、急だよ。いきなりすぎる…。
「…今までいろいろありがとう。迷惑とかいっぱいかけて、ごめんね?」
全然迷惑じゃなかった。莉夜といれて、あたし楽しかった…。
謝る必要なんてない。
そんなあたしの口から出てきたのは…
『…なんなの、いきなり来ていきなり帰るとか言って。本当迷惑。莉夜がいなくなってせいせいする』
心にも思ってない言葉。
本当、あたしって馬鹿。
目を合わせなくても分かる。莉夜の表情。
「ごめんね…。本当にごめん…」
『……』
泣きたいのは…こっちだよ。
こんなあたしでごめん、莉夜…。