『…え?』
自然と眉を潜めてしまう。
『……どういう、こと?』
視線は真っ直ぐ、気まずそうな顔をしている莉夜に向ける。
「兄ちゃん言ってなかったの?」
「……ん」
静かに頷いて喋ろうとしない莉夜の代わりに、星夜君が口を開いた。
「…今年から僕も兄ちゃんとお姉ちゃんと同じ高校に行くんだ。それで、お父さんとお母さんが"ちょうどいいから引っ越そうか"って」
『じゃあ…こっちに引っ越してくるって、こと?』
「うんっ」
少し震える声で聞けば、こくんと頷いた星夜君。
--…良かった、帰っちゃうのかと思った…
なぜか…安心したあたしがいた。