「ごめん、美玲ちゃん…。びっくりさせて」

『いや…大丈夫だけど』


ソファーに座った莉夜は、困ったように眉を下げた。


「別に美玲ちゃんが嫌いとか、そんなんじゃないんだ」

『うん』

「星夜、女性恐怖症なんだ。…昔、襲われそうになってから」


ま、まじか…。


びっくりして莉夜を見れば、しゅん…と目を伏せた。


「そのときは僕が助けて大丈夫だったんだけど。まだ治ってないんだよね…」


「それから星夜、僕にべったりで」と、話す莉夜に相槌を打つ。


まぁ、星夜君の顔を見れば襲われそうになったのは納得。可愛い顔してるし。


『てゆーか、星夜君あたしの部屋に逃げてったよね』

「…あ」


はぁ…。なんか、ややこしくなったって言うか、面倒くさくなった…。