『…ねぇ、誰だってばその子』


なぜか莉夜の後ろにくっついたまま離れなくなった男の子。

「大丈夫だよ」と声をかける莉夜に言った。


「弟だよー。星夜って言うんだ。星夜、挨拶して」


お、弟…?


立ち尽くしたまま呆然としてるあたしの前に、莉夜が無理やり星夜君を押してくる。


身長は…あたしより小さい。真白と同じくらい?


「…せ、星夜です」


なぜ、あたしが怖がられてるのか分からない…。


…びくびくと青ざめながら言う星夜君は、目を潤ませててもう泣く寸前。


『うん、よろしく。あたし美玲ね』

「…は、はい」


あたしが一歩近づけば、星夜君は一歩後ずさる。


…なぜ。