「おっとこまえー!!」
興奮気味にぴょんぴょん飛び跳ねる真白は「じゃ!!」と言って紅君を追いかけて行ってしまった。
「じゃああたしも行くねー。ばいばい!!美玲!!莉夜君!!」
『またね』
「さよならー♪」
可愛く笑って手を振る愛に、あたしと莉夜も手を振る。
『さて、と…』
パタンとドアがしまって莉夜と一緒にリビングに戻る。
「あの、美玲ちゃん…。前言えなかったことなんだけど……」
『……』
片付けをしている手を止めて莉夜を見る。
「…ごめんね？美玲ちゃんにとってたいしたことない話だったんだけど、今まで言わなくてー…」
『……』
なにか、
…なにか、嫌な予感がした。
「あのね、『…いい。聞かない』
「…ぇ」
『今はやだ…。また今度聞く…』
「う、ん…」
…ものすごく悲しい顔をした莉夜の顔を見て。泣きそうに目を伏せる仕草をした莉夜を見て。
すごく、聞きたくなかった。
でもー…
この話…
もっと。もっと、早く聞いてたらよかったね…？
そしたら、あたしのこの気持ち。早く気づけたかもしれない。
