「紅!!ケーキひと口ちょーだい♪」
あーんっ♪と細く長い睫毛を伏せ、口を開く真白に「はい」と大きめの一口を食べさせる紅君。
「ん…まぁ、うまい。チョコも美味しいけど!!」
どんだけ負けず嫌い…。
「莉夜のも~、あーんっ♪」
「あーんっ♪」
『……』
楽しそうに真白にケーキを食べさせる莉夜に、ズキッと胸が痛んだ。
『…?』
え。なんで今"ズキッ"ってなったの…?
は?なに今の…。
…真白と莉夜を見ててなんで"ズキッ"ってするの。
真白と莉夜に?
『…キモチワル』
…意味、分かんないし。
--…そう呟いたあたしは、自分が真白にやきもちを妬いたことに気づきもしなかった。