莉夜を見ると、目を細めて優しく微笑んでいる。
「マフラーありがとね」
『…でも、莉夜が寒くなっちゃうじゃん…』
強い風が吹く中、莉夜を見つめると、首を左右に振ってニッと笑った。
「大丈夫だよ?」
『…鼻の先赤くなってるし、唇も紫色ですけど』
ツンッとキツく言うと、寒そうな顔でふにゃっと笑った莉夜が言った。
「美玲ちゃんに心配されてる♪嬉しいなぁー」
『…心配なんてしてない』
「あははっ、じゃあ…手繋ごう?」
心配…してるのかな、あたし。
口からは素直じゃない言葉がいっぱい出て来るけど…。莉夜は分かってくれてる気がする。
コクンと頷いたあたしは初めて自分から莉夜の手を握った。
…もちろん、莉夜の顔がパアッと明るくなり、嬉しさで頬が赤く染まったのは言うまでもない。