「なんかあったのか?」


ジュースのストローをくわえながら優しく聞いてくる紅に、机にうつ伏せになりながら「うん…」と頷く。


そして昨日あったことを全部話した。


「へぇー…バイトやることになったんだ」

『ん…しかも僕に言わないでだよ…』

「で?マンションの前で先輩とイケメンと出くわしたと…」

『僕絶対勝てないよあんな人ー…』


紅の言葉にコクコク頷きながら、涙目で訴えた。


「勝てないって言われてもなぁ…お前も充分かっこいいけど?」

『ダメだよ…僕なんて全然!!』


ふるふると首を振ると、「でもさ」と紅が言った。


「彼女いんだろ?そのかっこいい人」

『う…、んまぁ…ね?』


苦笑いで返すと、大丈夫だよ。と励まされた。


僕と同じ黒縁メガネだった…。


メガネ見ただけで思い出してくるー…。