「はいどーぞ」
黒板の前に戻った先生はコツコツと黒板を叩いて僕を見る。
『えとー…』
鞄からメガネを取り出して黒板を見ながら一応考えてみる。
『分かりません…』
「分かりませんって言う意味が分かりません」
ダメだ。僕すっごいバカなんだ…。
みんなの視線を受けながら頑張って考える。
僕、数学は苦手。英語は好きだけどね。
「…5」
また後ろから紅の小さい声が聞こえた。
『…ご?…5ですっ』
「…正解。座ってよし」
元気良く先生に言うと、渋々座らせてくれた。
『紅っ!!ありがと♪』
「どういたしまして。後で飲み物おごってな?」
『もちろんー♪』
ニカッと笑って言う紅は見た目ではありえないくらい頭がいい。
かっこいい!!