*莉夜*


『うぁ~~~…』


もう美玲ちゃんのことで頭がいっぱいいっぱいだよ…。


今は授業中。


僕の席はヒーターに近いからあったかくて眠くなっちゃう。


眠気と美玲ちゃんでわけが分からなくなって、とりあえず寝ることにした。


目が悪い僕は、かけている黒縁メガネを外して鞄の中に入れ、着ているクリーム色のセーターに顔を埋めて目を伏せた。


あったかい…。


冷たかった鼻の先が温かくなってきて、完璧に寝そうになる。


授業より睡眠をとった僕は、指の先までセーターの袖を伸ばして完全に寝始めた。


…おやすみなさい。


「…莉夜、起きろ」


ポソッと紅の声が僕の後ろから聞こえてくる。


ん~……むり。