窓から見えるのは、赤い空・赤い月・赤い星。

あの日の私がそこに居る…

『聡子姉ちゃん…』

横たわる英生の横で栄太郎が震えていた。

手には魚を捌く出刃包丁がしっかりと握られている。

英生は微かに息があり私に手を伸ばす。

英生を抱きしめ私は口付けた…。

そして栄太郎から包丁を取り上げて英生の胸に深く差し込んだ

『ググッ』

と声にならない声をあげ英生をは息絶えた。
栄太郎は小さな子供のようにうずくまっている。