栄太郎が嫉妬に満ちた目でこちらを見ている。
私は一瞬目を背けたがもう一度栄太郎を見た。

その眼差しは私ではなく父親の英生にしっかりと向けられていた。

栄太郎はプイといなくなったが私はこの事を英生に伝えられなかった。

言ってはいけない気がしたのだ…。


英生が眠り私は栄太郎の寝床へと潜り込んだ。

いつもの可愛い寝息をたてグッスリと眠っている。

あれはただ栄太郎が寝ぼけただけ…私は無理に自分に言い聞かせた。