午前中の試合も松本のシュートで勝利に終わり、名雪が今までにないテンションの高さになった。




終わった途端、すぐさまあたしの手を引っ張り、松本の元まで走った。




『まさか』は大正解だった。




「あの、
 お弁当作ってきたんですけど、
 食べませんか?
 あの、よかったらですけど、
       ・・・一緒に・・・」




「名雪ぅ!聞いてない!」
名雪の洋服の裾を引っ張り、少し怒りぎみに囁いた。


「え〜!
 弁当作って来てくれたの?
 うれしいなぁ」

松本は、タオルで汗を拭きながら爽やかに微笑んだ。



「お友達もよかったらどうぞ♪」



「マジ〜!やったぁ♪」




あんたらは遠慮しなさい。遠慮を・・・



「ちょっとぉ、名雪〜!」


「さっちゃん、お願ーい!」


名雪のこのかわいい瞳で拝まれたら、嫌とは言えない。



「ん〜わかったよぉ・・・」




泣く泣く松本達と弁当を食べるはめになってしまった。




あたし達は階段を上り、松本達と一緒に見学席に戻った。



あたしはどーなっても知りませんよ...名雪さん。




案の定、松本のファンが顔色を変えた。




「どうぞ、召し上がれ♪」
横一列に座ったあたし達は、名雪のお弁当を順に回していった。