「ねぇ、さっちゃん?
 名雪何着て行こうかなぁ」




「ん〜なんでもいいんじゃない?
 フリフリじゃなければぁ〜」




松本が出場するバスケの県大会の応援に出発しようかと言うのに、衣装がまだまだ決まりそうにない名雪に、雑誌のページをめくりながら答えた。




「なんでわかったの?」




名雪が鏡を見ながら、ちょうど花柄のフリフリワンピを体にあてていた。




「イメージ」




「松本君って、こんなの嫌い?」




名雪がワンピースを持ってくねくねして見せた。




「あたしが恥ずかしいから」




「もぉっ!」




名雪は色んな服を取っ替え引っ替え試着して、やっとお嬢様らしい恰好をした。



「うん、それ可愛いよ!」



「ほんとっ?
 じゃあこれに決まりぃ♪」




二人はバスに乗り、市の体育館へと向かった。