それからしばらくして来た警察官が、色々とあたし達に話しを聞き男の子を連れて行った。




話しを聞くと、未成年だとなかなかビールを売ってもらえないし、先輩達に命令されたからやったと言う。



そこまでして飲みたいなんてね・・・




小さい頃パパが飲んでたビールをなめさせられたことがあるけど、あんな苦い物どこが美味しいんだかわかんない。




「さてと、仕事再開!」




「あの人って勇気あるね」




「えー?先輩、あたしはぁ?」



「吉岡はありすぎ!
 女の子のくせにまったく!」

先輩にペシッと頭を叩かれ叱られた。




「いてっ・・・」




やっぱり、あたしは男に生まれるべきだったのかな・・・




「ったく・・・いきなり追いかける
 んだからびっくりするわよ」

先輩が呆れたように言った。




「へへへ」





昔から正義感が強くて、正しいと思ってしたことも、自分が損することは多い。



虐めだって、必ず正義感の強い人が孤立してしまう。



嫌な世の中だな。




それから店長はお礼にと、ビールやおつまみを沢山持って那抖の仕事場まで一緒に行った。




仕事場から急にいなくなった那抖を、今度こそ懲らしめてやろうと木の棒を持ち仁王立ちしてた棟梁は、話しを聞いた途端、那抖の勇気ある行動に感動して泣いたそうだ。




でもさぁ、店長・・・





余計お金かかってない?