――ツタタタタッ!

後ろから誰かの走って来る音が聞こえた。


「おっはよー♪」

―─ガツッ!




    「いっ!」




「おっはー♪」

――ガツッッ!


    「つうっっっ!」



「あっ!ごっめぇぇん!
 カバン、あたっちゃったぁ?」




意地の悪そうな顔をして、振り返ったこいつが高槻亮子。




そして、その後を着いて走って行った数名は高槻に従うその奴隷達。




何故だか、あたしを目の敵にしてる奴ら・・・




あたしは肩を押さえて、高槻を睨みつけた。




嫌がらせは、いつから始まっただろう・・・






―─「なんかさぁ、あいつウザクね?ほっんと態度でかいしさぁ」




聞こえてますが・・・・・・


ほっといてよ。


絡んでこないでいいから・・・




あぁ、思い出せば、あれが理由かなぁ・・・





――「ねぇねぇ、吉岡さん、梶原さんとは話さないようにね〜。今日からシカトだからねぇ♪」




「は?アホくさっ」




「え?!シカトしないの・・・?」




「しょーもないことやめなよ」


とりあえず聞いとくか・・・


「理由は?」




「だってさぁ、校庭掃除しながら
 鬼ごっこしてたのにぃ〜、
 先に帰ってたんだよぉ〜!
 ありえなくなぁ〜い?
 ずっとあたし達ぃ
   捜してたんだからぁぁ!」




ほーら、しょーもない・・・




「とにかく、そーいうのパス」




「ふーん・・・」




その女子が、高槻に知らせに戻り耳打ちすると、高槻の顔色が変わった。





ただそれだけのことなのに、それからの虐めの矛先は『シカト』という形で、あたしに向けられるようになった。