「おっまったっせ♪」


「おー行こうか!」


「あたし自転車だから〜♪
じゃっ♪」

那抖から自転車を奪いまたがった。


「はーい♪って、おいっ!
置いていく気かよ!」


「冗談、冗談〜♪」


「じゃ、2ケツすっぞ〜♪」


「え〜!マジで?
こけないでよ?」


あたしが持っていたハンドルを渋々渡した。


「タイチョプ、タイチョプ〜♪」




後ろに座ってから気がついた。


・・・どこ持てばいいんだ?




「ほらぁ、しっかり持て!」


「え〜!どこ持つの?
って・・・えっ・・・」


那抖はあたしの手を掴んで、自分の腰に回させた。


「こーこっ!じゃいくぞ!
落ちんなよ!」


「ギャ―――――――――!
コワイ――――――――――!」


「るっせ!おまっ声でかいー!」


「久しぶりに二人乗りしたぁ♪
      ぎゃははははは!」


「壊れたぁ!紗茅が壊れたぁ!
        ハハハハ〜♪」






何もかも吹っ飛んだ。


今日のことも昨日のことも。




生きててよかったと思った。


心地よい風が通り過ぎて、何もかも見えなくなる。