そのまま高槻は保健室に担ぎ込まれ、私は慌てふためく担任の久藤に職員室まで連れて行かれ、椅子に座らされた。




「吉岡さん!あなた自分が
 何をしたかわかってるの?」




「・・・・・・」




「まったく女の子が
 こんなことするなんて
 学校始まって以来ですよ!」




あんた新任教師じゃなかったっけ?



いかにもお嬢様のような、何も苦労してませんって感じがムカつく・・・




「なんとか言いなさい!」



「あいつらが悪い・・・」




「何かあったの?」




「名雪の髪の毛、引っ張ったり、
       それから・・・」




「まぁ、長谷川さんの?!
 でもね、
   暴力はいけないわ・・・」

あたしの言葉を、最後まで聞くまでもなく、久藤はそう言った。




「口で言ってやめなかったから、
        実力行使・・・」




「でもねっ?」




「で?退学?」
冷めた目で担任を見つめた。




「わっ、わからないわ・・・
 でも先生がんばるから!」



「も、いいって・・・」
見てみぬ振りをする教師にはうんざりしていた。




「吉岡さん、あなた・・・」




「とにかく先生には
 迷惑かけないから。じゃっ!」




椅子から立ち上がり出口のドアへと向かった。




「吉岡さんっ!
 待ちなさい!吉岡さんっ!」




――ガラガラガラッ・・・




ドアを開くとちょうど保健室の佐伯が入ろうとしてくるところだった。